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和の心をつなぐコーヒー壺焙煎

ROASTER

小さな焙煎器

焙煎機との出会い

ある時、私たちは、壺を使った可愛いフォルムの小さな焙煎器に出会いました。それは、これまでの焙煎器のイメージを覆す、オーディオセットのような有機的なたたずまいでした。

この可愛い焙煎器で淹れるコーヒーは殊の外おいしく、この焙煎器を囲んで人の輪ができていった。

豆をまず計り、焙煎する。冷却し、手で挽いてネルのフィルターで淹れていく。

豆を手に取り、火の揺らめきを見つめ、丁寧に焙煎し、心を込めて淹れる。

その一つひとつの所作が、日常を特別に変えてくれる。

焙煎の時間は十分程度だが、焙煎が終わるまでのプロセスは、音からはじまって、香りがたって、焙煎器が回る様子に見入る時間。その中で、訪ねてきた友人たちとの間でゆるゆると対話がはじまる。

これはまさにコーヒー道と呼んでもいいのではないだろうか。

焙煎器との出会い

焙煎機との出会い

彫刻家 中嶋ゆうじ

好印象のポイントは、音と香りである。豆を煎るからからという音。

素焼きの小さな壺がころころと回り、壺の回転によって豆がからからと焙煎されていく。

その音を聞きながら、徐々にコーヒー豆の香りが漂ってくる。

そして、期待感は高まり、気持ちがすっと落ち着く豊かな時間が飲む前にある。

煎りたて、淹れ立てのコーヒーを味わう。最高のコーヒーによる、最高の時間がある。壺コーヒーは、身体にすっと染みわたり、頭も心もスッキリさせてくれる。普通のコーヒーでは味わえない、飲む前と飲むあとの期待と余韻が特別な時間をもたらす。

奈良から生まれた不思議な焙煎機

この小さな焙煎機は、効率のための道具ではありません。時間そのものの質を変えるための、静かな装置です。

壺は、奈良で代々続く陶芸作家によって一つひとつ丁寧に制作されるため、同じものは存在しません。

個体ごとの微細な差異が、そのまま味の個性となります。それは、まるで命が宿っているかのような存在感を放ちます。

使い手が向き合った時間だけ、道具は応え、一杯の中に、その人だけの深みが宿っていく。それは消費ではなく積み重ねる体験です。


その壺がゆっくりと回転しながら豆を焙煎する様子は、炎と陶器と豆が織りなす舞台のようで、眺めているだけで心が浄化されていくかのようです。

壺焙煎機の特徴


「コーヒーのつぼ」は、遠赤外線焙煎と直火焙煎という二つの力を併せ持つ、日本独自の道具です。

• 陶器ならではの柔らかさで、豆の芯まで熱をじんわり伝える遠赤外線。
• 直火の力強さで、香ばしさと奥行きを引き出す焙煎。

炎、色、音、香り、空間が整っていく一連の過程は、まさに「和の精神」を宿したおもてなしの時間そのものです。

五感で味わう体験

壺はまるで美術品のように美しく、炎に照らされながら回転する姿は、工芸と自然の調和を映すアート作品のようで
豆が膨らみ、少しずつ色が変化していく様子を見つめること自体が、心を豊かにする時間になります。

壺の中で転がる生豆の「シャリンシャリン」という澄んだ音。
やがて焙煎が進むと「パチ、パチ」とはぜる音が重なり、まるで小さなオーケストラのように響き渡ります。
その音色は、空間を浄化し、聞く人の心を静かに整えてくれます。

香り

焙煎の進行とともに、香りは刻一刻と変化していきます。
最初の青い香りから、甘やかで香ばしい香り、深みを増すビターな香りへ。


さらに、豆を挽いた瞬間の芳醇な香り、ドリップ中に立ちのぼる香り、そしてカップに注がれた時にふわりと広がる香り…..
一杯ができあがるまでに、何度も香りの変化を楽しむことができます。

焙煎の深さや抽出の仕方で、味わいは無限に広がります。
すっきりとした透明感のある一杯から、重厚なコクを持つ一杯まで、その日の気分や人との時間に合わせた味わいを届けられます。

五感を通して体験するこの時間は、ただの飲食ではなく、禅のひととき。


香りと音と美しさに包まれながら飲むコーヒーは、心を整え、場を清め、調和を生み出します。

壺で焙煎するコーヒー